闇営業問題から涙の会見、社長のぐだぐだ会見と話が複雑になっていき、最初に取り上げられていた問題はどこへ行ってしまったんでしょう。
岡本社長の記者会見で芸人さんとの信頼関係の薄さがありありと出てしまい、SNSなどで吉本興業への不満を暴露する芸人さんが後を絶ちません。調べてみると6000人ものタレントがいるとのこと。
6000人?
吉本興業の社員は約800人となっているけれど。
所属タレントと社員との違いってどうなってるのでしょう。
吉本興業社員と所属タレントの違い
吉本興業公式HPを見ると、社員数865名 所属タレント約6000人 と記されています。
所属タレントと社員は全く別物で、社員という肩書を付けていません。
一般的に正社員でも契約社員でも労働賃金、労働時間、休暇などを約束した雇用契約、労働契約を取り交わします。ここで書かれている865名の社員さんにはそのような契約が結ばれ社会保険などにも加入していると思われます。
その一方で所属タレントとはなんの契約書を交わさないのが有名です。

思うに、吉本としては契約形態をはっきりさせるより、曖昧なままの方が使いやすいと思っているのではないでしょうか。
雇用契約は「仕事の受託を強制できる」「時間・場所を拘束できる」「活動内容に対し具体的な指示命令ができる」というメリットがあります。事務所からすればタレントをいいように使える訳です。請負契約(委託契約)だと、タレントも「事業主」となり、立場上吉本興業と同等になります。仕事の諾否を含めてタレントの自由度が増します。
一方で雇用契約には「社会保険に加入させなければならない(会社の金銭的負担が増える)」「労働基準法が適用されるので、労働時間が一定以上になると割増賃金が発生する」「会社が所得税を源泉徴収し、年末調整を行うなど事務負担が増える」などの、会社からすると負担も多いです。
吉本としては契約形態を曖昧なままにすることで、「強力な指揮命令権を持ったまま、会社の金銭負担も少なくする」という「いいとこどり」をしたいのではないでしょうか。
引用元:熊谷総合労働事務所HP
なるほどです。ちゃんとした契約を結んでいないなら会社の取り分がどんなに多くても文句が言えません。
しかし、契約書がないとなるとその芸人さんへの拘束力もなくなるんではないでしょうか?上記のサイトでこんなことも書いてありました。
NON STYLEの石田さんが興味深いことを言っていたそうです。「我々は吉本の”お得意様”のようなもの」と。吉本の仕事発注先のようなものだという訳です。であれば、吉本がタレントを「解雇」や「謹慎」にする権利など当然無いですし、他でどんな仕事をやっていようが注意することも出来ません。
引用元:熊谷総合労働事務所HP
今回の宮迫さんの謹慎処分は吉本が提示したものなんでしょうか。それですとなんの拘束力もありません。
自分でしばらく謹慎してます、と言っていたような気もしますが。。。
社員さんの評判
所属タレントさんには劣悪でも社員さんにはいい会社なんでしょうか。こちらで生の声が聞けました。
これを見てみるとこのようなことが書かれています。
・上の人同士で派閥がある。
・誰でも入れる。
・社員の話を聞かない。
・ただ働き当然。
・上からの圧力。
しかし嫌なところばかりでもないようです。
・自分のやり方で仕事ができる。
・テレビ局の現場研修がある。
・エンターテインメントが好きな人にはいい。
・活躍している芸人さんに会える。
どんな会社でも嫌な人はいますし良い人もいて、それは吉本でも同じようです。個性の強い人が多そうですね。
タクシー乗り放題とありますがお金の面でもそれほどいいことは書かれていませんでした。
吉本興業の今後は
明石家さんまさんやダウンタウンなどに憧れて吉本興業に所属する芸人さんも多く、そのような芸人さんはそのまま辞めずに留まるのではないでしょうか。
上の人気のある芸人さんたちの動きで若い人たちの動きも大きく変わってくると思われます。
今回の事件で劣悪な経営実態が表面化しましたが、これをきっかけに改善されることを祈っています!